携帯電話を使ったBTOCコマース市場やモバイル広告市場、モバイルコンテンツ市場は着実に拡大しつつあり(「1.2モバイルプラットフォーム市場」、「1.3モバイル系コンテンツ市場」)、モバイルソリユーション市場もいよいよ立ち上がろうとしている(「1.4モバイル系ソリューション市場」)。
2003年度の携帯電話キャリア4社の決算は過去最高を記録し、営業利益の合計は1.5兆円を超えた。
わが世の春を認歌しているかに見えるこの携帯電話市場。
しかし本市場は今、大きな岐路に立っている。
本市場の今後5年間を見通すときに欠かせないキーワードが、「MNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)」、「新規事業者」、「オープン化」、「グローバル化」、そして「コンバージェンス(融合)」である。
「MNP」については、2006年10月前後の導入後、市場の流動性(キャリア間のユーザーのチャーンイン・チャーンアウト)が一時的に高まることが予想される。
韓国での状況を見ると、MNP導入を契機にキャリア間競争が過熱し、体力消耗戦に陥った。
わが国でも、米国においてMNPの初期インパクトの低減に一役買った「長期契約制度」の導入をはじめとする、さまざまな囲い込み施策が必要となるであろう。
そのためには、そもそもどのような顧客(セグメント)を死守すべきなのか、という顧客戦略が不可欠である。
いよいよ携帯電話事業も、一律で“平等”なサービスから、利益をもたらしてくれる優良な顧客に対して、より手厚いサービスを行う、メリハリのきいた“公平”なサービスへと脱皮するときがきた。
「新規事業者」としては、SのS社長が、携帯電話市場への参入になみなみならぬ意欲を示している。
現時点では具体的な参入形態は不明だが、固定ブロードバンド事業における価格破壊的なアプローチを携帯事業でもとるならば、既存キャリアは価格競争・料金競争に巻き込まれる可能性がある。
だからこそ、各社はしっかりと守るべき顧客(セグメント)は誰なのかということを明確化した上で、価格ではなく、品質と独自サービスによる差異化を図らなければならない。
これら2つの布石は、まったく準備をしなければ「脅威」にほかならないが、十分な準備を行えば「機会」に変わる。
「ゆでガエル」状態に陥っているキャリア、販売代理店、端末メーカーの関係を断ち切り、成熟時代の携帯電話市場にふさわしい新たな関係を構築していくためには外部からのインパクトが必要であり、これらの唄石はインパクトとしては十分である。
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